2012年8月9日木曜日

imac特集。



iMac(アイマック)とは、1998年5月にアップルが発表し、同年8月に発売が開始されたパーソナルコンピュータ「Macintosh」のディスプレイ一体型デスクトップ機のシリーズに付けられた名称。



デザインや内部アーキテクチャは当初のものから大きく変化しているが、2011年時点でも、ディスプレイ一体型デスクトップ機として販売されており、ノートタイプのMacBookとともに、アップル社の主軸をなす商品である。



NeXT社買収でアップルに復帰したスティーブ・ジョブズが中心となって開発されたiMacは、パソコンの歴史においてエポックメイキングとなった製品である。



開発はアップル社内のごく限られた人数で構成されたチームにより極秘裏に進められ、WWDC 1998でのジョブズによる発表会で初めてiMacの存在を知った社員がほとんどであった。



15インチCRTを装備した一体型のケース、キーボード、マウス、果ては電源ケーブル、付属のモジュラーケーブルにいたるまで半透明(トランスルーセント)で統一されたスタイリッシュなデザインや、ボンダイブルー(アップルによる造語、シドニーにあるボンダイビーチから)と呼ばれた印象的なカラー、178,000円(当時)という低価格が広く受け入れられ、大ヒット商品となり、それまで経営危機が囁かれていたアップルの復活を強く印象づけた(実際には1997年第4四半期に黒字化している)。



従来のパソコンのイメージを覆す大胆なデザイン(eMate 300のデザインコンセプトを継承したもの)はその後の半透明グッズブームの発端となった。そして商品名に「i」を冠するネーミングの流行の火付け役にもなった。



初代のiMacは、レガシーデバイス(RS-232C、RS-422系のシリアルポート、フロッピーディスク)とアップルが考えたものを廃し、USBを全面的に採用するという斬新な仕様で発売された。iMacがUSBを全面採用としたことで、ただちにUSB採用の周辺機器が次々に発売され、USBの普及が加速的に進んだ。



なお、ディスプレイ内蔵のオールインワンタイプ・パソコンは、Macintoshの原点とも言うべきものであるが、Macintosh II以降の上位機種にはモジュラー型が採用されたため、一体型は廉価版とみなされるようになり、長らく地味な存在であった。



しかしiMacシリーズには従来のパソコンにはないインテリア性があり、しかも初代iMacは上位機種DTシリーズと同じCPUを採用しており、従来の一体型Macintosh(Performaシリーズ)とは一線を画すものであった。



iMacは、当時の急速なインターネットの普及という追い風を受け、一般家庭向けのネット端末というニーズにあった製品として、おおいに売上を伸ばした。



iMacと同様のコンセプトは、一頃は他の企業から発売された幾つかのPC/AT互換機で採用されたが、これらが余りにもiMacのデザインを露骨に模倣していたため問題となった



同シリーズは数回のマイナーチェンジ(性能アップとボディカラー変更)の後、1999年秋のモデルチェンジでは一見初代iMacに似ているものの、冷却ファンが廃止され、簡単にメモリやAirMacカードの増設ができるようになるなど、従来よりブラッシュアップされたものであった。



2002年には液晶ディスプレイ一体型にフルモデルチェンジ、CPUにもPowerPC G4が搭載された。なお初期型のブラウン管搭載機のシルエットは、液晶ディスプレイ採用で価格が押し上がったために空いた価格帯を埋めるeMacに継承されていったが、2005年には販売終了した。



2004年にはPower PC G5を搭載したiMac G5となり、液晶ディスプレイにパソコンが内蔵されたような薄型のデザインになった。



2006年にはCPUがインテルのCore Duoに変更され、現行機種(2011年5月現在)は、CPUに64ビットのIntel Core i5またはIntel Core i7を搭載し、GPUにはAMD Radeonを搭載したモデルが販売されている。



インテルCPUへの切り替え後は、他社の同レベルのディスプレイ一体型デスクトップ機に比較して高い価格競争力を持ち、アップルの主軸商品として、成長の原動力になっているという。



「iMac」そのものは、当初のものと現行のものでは、外観および内部のデザインや設計が大きく変貌しているが、ディスプレイ一体型のデスクトップ機という商品コンセプトは、発売当初から一貫して守られている一方で、商品の位置づけは多種展開により家庭用〜プロ向けと幅広く変化している。



それまで市場で販売されていたデスクトップ型のパーソナルコンピュータは、機能の優先や拡張性の確保のため、箱形の筐体をしたものが多かった。これはPC/AT互換機に限らずアップルの製品でも同じで、iMac発売当時に並販されていたPower Macintosh G3 DT, MTも箱形のデザインであった。



また筐体色に関してもアイボリーやブラックといったものが多かったが、一方で1997年に発売を開始したソニーのパーソナルコンピュータVAIOにおいてバイオレット(紫色)が用いられ「VAIOカラー」と呼ばれるなど、パーソナルコンピュータのデザインや色が着目され始めた時期でもあった。



iMacが発表された際には、白と半透明のグリーンを使った「色」、箱形を脱して曲線を多用した「形」、また当時コンピュータを買う目的の一つであったインターネットへ接続するまでの購入時・後のユーザーの煩雑さ(周辺機器の購入や接続)低減に効果のあったディスプレイやキーボード、マウス、モデムといった周辺機器の内蔵もしくは付属によって、製品を箱から出して付属のコード数本を繋ぎ、電源を入れた後に通信契約を行えばインターネットへ簡単に繋げることができる「シンプルさ」が着目され、メディアでは「斬新なデザイン」と評された。

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